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酒仙・・・・・・お酒飲みのアナタなら絶対面白いですよん♪ [読書感想文]

ひさびさに本の紹介です♪
ウチのだんなさんから「面白いよ~」と言われて読んだこの本。
93年の「日本ファンタジーノベル大賞」の受賞作です。

酒仙

酒仙

  • 作者: 南條 竹則
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1996/09
  • メディア: 文庫

内容はファンタジーなんだけど、随所にコドモじゃわからないユーモアや、くすくすと笑えるパロディがさしこんであってすごく面白いのデス。
主人公は気のいい酒飲み・老舗商家のぼんぼん・暮葉 左近(くれは さこん)。
江戸時代からの名門商家で裕福なお家柄にもかかわらず、商才の無さとバブルにやられ60億の借金をつくってにっちもさっちもいかなくなってしまう。
「せめて最後は好きなお酒つかって死にたい」と大理石のお風呂に本場の高級老酒を「お燗」して酒風呂にし、まさに「酒に溺れて」あえなく昇天・・・・と思いきや、そこに蓬莱山の鉄拐仙人があらわれて・・・・
お話の主軸は、「邪悪な「魔酒」を世の中にはびこらせる「三島酒造」と主人公の戦い(?)」なのですが、主にやっていることはおいしく食べたり楽しく飲んだり・・・・(笑)
聖杯ならぬ聖「徳利(とっくり)」がでてきたり、お稲荷さんや妖怪が出てきてみたり、小さな浅草の飲み屋が一転、実は龍宮城の「幸せになれる泡盛」を飲ませるお店だったり、めまぐるしい場面転換で読者を楽しませます。
そこここに散りばめられた怒涛のようにあふれる薀蓄の数々にはびっくり。この人はいったいどれだけの本を読んでいるんだろう?
あまりにも情報量が多くてちょっとやりすぎ感もありますが、知識をひけらかしているようなイヤミがなくさらっと読み流せます。
例えて言えば、ものすごく博識で聞いても半分もわからないような小難しい話ばかりするけれど、魅力的でざっくばらんな気取らないヒトとのおしゃべりを楽しむような。
とても刺激があって惹き込まれる文章です。
思わず飲みたくなるような美味しそうなお酒やおつまみの描写も楽しく、もりだくさんでニギヤカな大人のお伽噺なのです。

「国家の品格」じゃありませんが日本の国は『梅の花が咲くといっては酒を飲み、桜の花が咲くといっては酒を飲み、月が青いといっては酒を飲み、ゆく年を忘れるとて酒を飲み、来る年を祝うとて酒を飲む。森羅万象を酒の契機といたす、気高い文化』の国・・・・。(『』内は酒仙の本文より抜粋)

お酒を愛するアナタならきっとニコニコしながら読んでいただけるお話だと思いますよん^^


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コメント 4

asatte-mo-shiawase

面白そうですね~^^
父がお酒好きなので、父の日用に探してみようかな?
(と言って、まずは自分が先に読む)
by asatte-mo-shiawase (2006-06-01 21:41) 

momo

面白そ~~~~~!!
今度図書館でさがしてみ~よおっと☆

>日本の国は『梅の花が咲くといっては酒を飲み、桜の花が咲くといっては酒を飲み、月が青いといっては酒を飲み、ゆく年を忘れるとて酒を飲み、来る年を祝うとて酒を飲む。

ホントだね!『陰陽師』の二人もいっつもお酒飲んでるもんね。
でもさ日本人って季節のうつりかわりを愛で、自然物の中に幸せを見つけられる幸せな種族なのかもね?
by momo (2006-06-02 00:47) 

banana

きょろちゃん☆

おー、お父さんに本ね!うちもなにかというとお酒をあげちゃうんだけど、本とかもいいよね。
「酒仙」読むと、絶対お酒が飲みたくなるので、おいしい老酒かなんかとセットであげるっていうのもいいかも(笑)
by banana (2006-06-02 10:27) 

banana

ももちゃん☆

明るく楽しい酔っ払い小説だよ。
お酒周辺の薀蓄がすごくてちょっとひくかもしれないけど、わたしたちのようなオタク系女子(笑)は本から得られるこういう豆知識って面白いんだよねー^^
そうか、「陰陽師」もどうも好きだと思ったよ。そういえば晴明も博雅もいっつもお酒飲んでるもんね~(笑)
by banana (2006-06-02 10:44) 

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