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自負と偏見(高慢と偏見) [読書感想文]

新潮文庫の「自負と偏見」を読みました。(「高慢と偏見」「プライドと偏見」という邦題の訳もあります。)
面白かった!!本当に面白かったです^^

自負と偏見

自負と偏見

  • 作者: J. オースティン
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1997/08
  • メディア: 文庫

昔から傑作として名高く、最近では『ブリジット・ジョーンズの日記』はこの小説のパロディであるという話が有名ですので、きっとたくさんの方に「こんな傑作を何をいまさら・・・」と思われるかと思うのですが、
でも、わたしのように、この陰気で難しそうなイメージのタイトルのおかげで、食わず嫌いで敬遠している人も多いと思うのですヨ。
わたしも、ある方のブログで絶賛の書評を見なければ、200年も前に書かれたこのお話をわざわざ読もうという気にはなりませんでした。
200年前は画期的といわれた小説でも、いろんな小説が氾濫している現代では退屈なんじゃないかしら・・・とも思ったし。

でもそれこそ大きな「偏見」でした。

ここまで面白い小説は本当に久しぶりに読みました。約600ページがあっという間。
後ろの200ページは一時間半かけて一気に読みきってしまいました。
サマセット・モームは「大した事件は無いにもかかわらず「次はどうなるんだろう?」とページをめくってしまう」と評したそうですが、まさにその通りなんです。
登場人物それぞれの性格、バチバチと火花の散りそうな緊張感のある会話、これって200年も前の小説なの?と思うほど新鮮なみずみずしさで描写されています。
主人公・エリザベスの視点は皮肉で冷静。
特に、娘たちの母で、とことん何も考えてなくて感情的で浪費家のミセス・ベネットの困ったちゃんぶりの描写がとにかく辛辣で面白いの。そういえば『ブリジット・ジョーンズの日記』のママもものすごく恥ずかしい性格でしたよね。
主人公・エリザベスの恋愛の展開もハラハラさせて飽きさせません。ちょっとネタバレになってしまいますが、恋の相手の資産家・ミスター・ダーシーは、いわゆる「ツンデレ」。そこまた乙女心をくすぐります。(誰がオトメだ?(笑))

「ダーシー」といえば『ブリジット・ジョーンズの日記』でも、彼女の恋人になるセレブな弁護士さんの名前は「ダーシー」。二人が格差カップルというところも同じです。
『ブリジット・ジョーンズの日記』は、他にも細かいところでたくさんこの小説を引用しているので、探しながら読み比べてみるのも楽しいかも。

あ、そうそう。
名作なのでいろいろな出版社から出ていますが、なかには昔の翻訳モノ特有のものすごく読みにくくて解り難い訳もあるのです。
アマゾンでレビューを読み、書店でパラパラ読み比べた結果、わたしは新潮文庫の中野好夫訳「自負と偏見」を読みました。
1963年が初版のこちらの翻訳は、最近ではほとんど使わない語彙、言い回しが多く、特に男性の書簡の部分などは江戸時代の武士みたい(?)な候文なので、ちょっと読むのに疲れるところもありましたけど、200年前のイギリスを感じることができるようなクラシックな文体でオススメです。
雰囲気を感じるより読みやすいほうがいいわ、と思う方はちくま文庫の訳のほうがよいかも。現代的でカジュアルな訳が分りやすく、サラサラ読めてストレスがないという点で優れていると思います。ただ、気軽過ぎてなんとなく昼ドラっぽいんですよね(笑)お好みでどうぞ~^^

2005年に、キーラ・ナイトレイの主演で撮られた映画「プライドと偏見」も、映像美が素晴らしい佳品だそうですね。まだ見ていないので楽しみです^^

高慢と偏見 上   ちくま文庫 お 42-1

高慢と偏見 上 ちくま文庫 お 42-1

  • 作者: ジェイン オースティン
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2003/08
  • メディア: 文庫


高慢と偏見 下   ちくま文庫 お 42-2

高慢と偏見 下 ちくま文庫 お 42-2

  • 作者: ジェイン オースティン
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2003/08
  • メディア: 文庫

プライドと偏見

プライドと偏見

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • 発売日: 2006/11/30
  • メディア: DVD

ブリジット・ジョーンズの日記

ブリジット・ジョーンズの日記

  • 作者: ヘレン フィールディング
  • 出版社/メーカー: ソニーマガジンズ
  • 発売日: 2001/08
  • メディア: 文庫


ブリジット・ジョーンズの日記

ブリジット・ジョーンズの日記

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • 発売日: 2006/11/30
  • メディア: DVD


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